比較コラム

オルカンとS&P500どっち?違い・過去実績・向いている人を徹底比較

新NISAで積立を始めようとしたとき、多くの人が「オルカンとS&P500、どちらを選べばいい?」と悩みます。この記事では両者の違いを事実ベースで比較し、どちらが自分に向いているかを判断する材料を提供します。

積立タイムマシン編集部

最終更新: 2025年6月

本記事は金融庁・JPX・MSCI・S&P Dow Jonesなどの公開情報と、積立タイムマシン独自のシミュレーションデータをもとに作成しています。

1.結論:どちらを選ぶべきか

先に結論をお伝えします。

  • 「米国1国への集中リスクが気になる」→ オルカンが向いている
  • 「過去の実績と成長力で米国を信頼している」→ S&P500が向いている
  • 「どちらか迷っている」→ オルカン1本が最もシンプルで損のない選択

※ どちらも長期的に世界経済の成長を享受できる優良なインデックスです。どちらが必ず良い・悪いと断言できるものではありません。

2.オルカンとは?特徴と仕組み

「オルカン」は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の愛称で、MSCI ACWI(All Country World Index)に連動する投資信託です。先進国23カ国・新興国24カ国を合わせた約47カ国・約2,800銘柄をカバーし、時価総額の比率に応じて世界全体に分散投資できます。

  • 対象先進国23カ国+新興国24カ国(約47カ国)
  • 銘柄数約2,800銘柄(2025年時点)
  • 米国比率約62%(最大だが1国ではない)
  • 信託報酬年0.05775%(業界最安水準)
  • 新NISA対応積立投資枠・成長投資枠ともに対象

米国の比率が最も高い(約62%)のは、現在の世界の時価総額で米国企業が最大シェアを占めているためです。将来的に別の国や地域が台頭すれば、自動的にその比率が上昇します。いわば「世界経済全体に乗る」インデックスです。

3.S&P500とは?特徴と仕組み

S&P500は、米国の代表的企業500社で構成される株価指数です。アップル・マイクロソフト・エヌビディア・アマゾン・メタといったテクノロジー大企業が上位を占め、米国経済の動向をほぼそのまま反映します。日本では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最も人気のある商品です。

  • 対象米国企業500社のみ
  • 銘柄数約500銘柄
  • 米国比率100%
  • 信託報酬年0.09372%
  • 新NISA対応積立投資枠・成長投資枠ともに対象

過去20年以上にわたり、世界の主要指数の中でも高いリターンを誇ってきた実績があります。一方で、米国1カ国への集中という点では分散が効いておらず、米国経済が低迷した際の影響を受けやすい構造でもあります。

4.オルカンとS&P500の違いを比較

項目オルカンS&P500
対象国約47カ国(全世界)米国のみ
銘柄数約2,800銘柄約500銘柄
分散度◎ 地域・国際分散△ 米国集中
過去リターン○ 高水準◎ さらに高水準
信託報酬0.05775%0.09372%
暴落リスクやや緩和(米国外分散)米国に連動
シンプルさ◎ 1本で世界完結◎ 米国特化で明快

※信託報酬はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の2025年6月時点の税込数値。

5.過去の積立シミュレーションで比較

実際の運用成績データをもとに、積立タイムマシンのシミュレーション機能で計算した結果です。

【2020年1月〜2025年6月】毎月3万円積立

オルカン

+77万円

+39.1%

元本 198万円

評価額 275万円

S&P500

+91万円

+46.2%

元本 198万円

評価額 289万円

【2015年1月〜2025年6月】毎月3万円積立

オルカン

+355万円

+94.0%

元本 378万円

評価額 733万円

S&P500

+440万円

+116.5%

元本 378万円

評価額 818万円

読み取れること

  • 過去の成績ではS&P500がオルカンをやや上回っている
  • 両者とも長期積立で元本の大幅な増加が見られた
  • 開始年・期間によって差は変動する(特定の期間が未来を保証しない)

※過去の実績データに基づくシミュレーションです。配当再投資込み・手数料・税金は考慮外。将来の成果を保証するものではありません。

6.暴落時の動き方の違い

下落局面では両者ともに大きく動きますが、状況によって差が生まれることもあります。

コロナショック(2020年2〜3月)

両者ともに約-30%前後の急落。回復速度も同水準で、米国テクノロジー株主導の急回復を両者ともに享受しました。この局面ではほぼ差はありませんでした。

ほぼ差なし

インフレ・利上げショック(2022年)

米国グロース株が大きく下落し、S&P500は約-19%。オルカンも同水準の-18〜20%程度で推移しました。欧州や新興国も下落したため、地域分散の恩恵は限定的でした。

ほぼ同等の下落

新興国・中国リスクが顕在化した局面

中国株の下落が大きかった2021〜2022年の一部期間では、新興国比率を持つオルカンの方がやや下落幅が大きい局面もありました。

オルカンが若干不利な場合も

過去の大きな下落局面では、オルカンとS&P500の下落幅はほぼ同水準でした。「オルカンの方が必ず安全」とは言えません。分散の効果は長期的に見て発揮されるものです。

7.新NISAではどちらが向いているか

新NISA(2024年〜)の積立投資枠では、どちらも年間120万円まで非課税で積み立てられます。成長投資枠も合わせると年間360万円、生涯1,800万円の非課税枠を活用できます。

金融庁は「長期・積立・分散」の原則を推奨しています。この観点からは、47カ国・約2,800銘柄に分散するオルカンは原則に沿った選択といえます。

新NISAで選ぶ際のポイント

  • どちらも積立投資枠・成長投資枠で購入可能
  • 毎月定額の積立ならどちらもドルコスト平均法の効果を受けられる
  • 「迷ったらオルカン」が多くのFPが挙げるシンプルな答え
  • S&P500への強い確信があれば、それも合理的な選択
  • どちらか一方に決めたら、長期で保有し続けることが最重要

8.こんな人はオルカン

オルカンが向いている人

  • 「米国1国への集中リスクが気になる」人
  • 「将来どの国・地域が成長するか分からない」と考える人
  • なるべくシンプルに、1本だけで済ませたい人
  • 10〜20年以上の超長期で世界経済全体の成長を取り込みたい人
  • 投資の細かい判断をできるだけ減らしたい初心者

9.こんな人はS&P500

S&P500が向いている人

  • 「今後もAI・テクノロジーを中心に米国が世界を牽引する」と考える人
  • 過去の長期リターンを重視し、米国株の実績に強い確信がある人
  • オルカンの新興国・欧州部分は不要と考える人
  • 「将来的にS&P500と他の地域ETFを組み合わせたい」と考えている人
  • すでに日本株や他の資産を持っており、米国株で補いたい人

まとめ:どちらも「正解」

オルカンもS&P500も、長期積立に適した低コストのインデックスファンドです。どちらが絶対に優れているという答えはなく、自分のリスク観・投資観に合った方を選び、長期で続けることが最も大切です。よく分からなければ、金融庁も推奨する分散投資の観点からオルカン1本が無難な出発点です。

本サービスのシミュレーションは過去データをもとにした参考情報です。将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身でお願いします。データについて

10.積立タイムマシンで実際に確かめよう

「もし○○年から積み立てていたら?」を、オルカン・S&P500それぞれで実際に確かめてみましょう。 あなた自身の開始年・毎月の積立額で、リアルな数字を体感できます。

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