「オルカンはやめたほうがいい」というキーワードを検索する人が増えています。2024年の新NISAでオルカン人気が高まる一方、「米国偏重で大丈夫?」「暴落したら?」「為替リスクは?」という不安も根強くあります。この記事では否定論として挙げられる6つの懸念を実績データで一つひとつ検証します。
「米国偏重」は全世界株式の正確な反映——設計どおりの比率
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の米国比率は2025年時点で約62%。「集中しすぎ」と指摘されますが、これは世界の株式時価総額に占める米国企業の割合をそのまま反映しています。世界全体を時価総額比で買うという設計上、米国経済が強ければ比率は上がる仕組みです。「バグ」ではなく「仕様」です。
2022年の-18%暴落も積立継続で回復。ドルコスト効果が働いた
2022年にオルカンは年率約-18%と大幅下落しました。しかし2020年1月から月3万円を積み立てていた投資家は、この暴落期に安く買い増しを続け、2023年(年率+23.4%)の急回復で大きく盛り返しています。定額積立では暴落が「購入コスト低減の機会」に変わります。
信託報酬0.05775%は業界最安クラス——コスト面の懸念は根拠なし
100万円投資で年間コスト約578円(0.05775%)。同カテゴリのETFであるVT(0.07%)より安く、アクティブファンドの年1〜2%と比較すれば30分の1以下のコストです。「手数料が高い」という批判はオルカンに対しては根拠が薄く、コスト面でやめる理由にはなりません。
積立タイムマシン編集部
最終更新: 2025年6月
本記事は金融庁・JPX・MSCI・S&P Dow Jonesなどの公開情報と、積立タイムマシン独自のシミュレーションデータをもとに作成しています。
オルカン否定論として挙げられる代表的な懸念を順に検証します。①米国偏重(約62%)→世界の株式時価総額における米国企業の比率そのものであり設計上の仕様。②為替リスク→長期積立では円高・円安の局面が繰り返されリスクが平準化される傾向。③暴落リスク→2022年-18%の下落も積立継続で回復。④信託報酬が高い→0.05775%は業界最安クラス。⑤新興国比率が低い→MSCI ACWIで新興国は既に約15%含む。⑥個別株より劣る→長期ではアクティブ運用の約80%がインデックスに負ける。
オルカンが連動するMSCI ACWIは、MSCIが算出する全世界株式指数です。約47カ国・約3,000銘柄を対象とし、時価総額加重で構成されています(出典:MSCI Index Fact Sheet 2025年)。米国比率が高い理由は「米国企業の時価総額が世界最大」という事実を反映しています。
積立タイムマシンの実データで、2020年1月からオルカンへ月3万円を積み立てた場合(2025年6月時点)の結果を確認できます。2020年3月のコロナショック(一時-30%超)、2022年の利上げ局面(-18%)という2回の大きな下落を経ても、定額積立を継続することで元本を大幅に上回っています。S&P500との差はこちらで比較。
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向かない方:①投資期間が5年未満の短期目標(元本割れリスクがある)②暴落時に感情的に売却してしまう可能性が高い③短期で確実な利益を期待している。向いている方:①10年以上の長期で老後資金・教育費を準備したい②銘柄管理の手間を最小限にしたい③世界全体の経済成長に乗りたい。多くの長期投資家にとってオルカンは「やめるべき」ではなく「最もシンプルな選択肢の一つ」です。
Q. オルカンは今から買っても遅くないですか?
A. 遅くはありません。過去10年で「今が天井」と感じた時期は毎年ありましたが、長期積立を続けた場合は常にプラスになっています。相場の底を見極めることはプロでも困難なため、定額積立で時間分散することが最も合理的な選択肢です。
Q. オルカンは暴落時にどのくらい下がりますか?
A. 過去の実績では、2022年に年率約-18%、2020年のコロナショック時には一時-30%程度の下落を記録しています。ただしいずれも1〜2年以内に回復しており、積立継続した投資家は回復後に大きな利益を得ています。10年以上の長期積立では損失リスクが歴史的に大幅低下します。
Q. オルカンとS&P500どちらを選べばいいですか?
A. 分散性を重視するならオルカン、米国集中でより高いリターンを期待するならS&P500が適しています。過去の成績ではS&P500がやや上回る期間が長かったですが、米国経済が好調だった時期の反映です。「どちらか1本で今すぐ始める」ことが最も大切です。
Q. オルカンに為替リスクはありますか?
A. あります。外国株式に投資するため、円高局面では評価額が円換算で下落します。ただし長期(10〜20年)の積立では円高・円安の局面が繰り返されるため、為替リスクも平準化される傾向があります。為替の短期変動より積立継続の方が長期成果への影響は大きいです。
Q. オルカンを「やめたほうがいい」人はどんな人ですか?
A. 積立期間が5年未満と短い方、暴落時に損失が出ると感情的に売却してしまう可能性が高い方、短期で確実な利益を求めている方には不向きです。逆に、長期(10年以上)で淡々と続けられる方には最も適した商品の一つです。
新NISAの最初の1本にシンプルな全世界株式を選びたい方
個別株・アクティブファンドより分散投資を優先したい方
10年以上の長期で「世界経済全体の成長」に乗りたい方
銘柄管理の手間を極力省きたい方
「オルカンで本当に大丈夫?」という疑問を解消したい方
⚠ 「米国比率が高すぎる」と思って日本株を追加する
オルカンに日本株ファンドを追加すると、日本比率が上がりすぎて分散効果が薄まります。日本株は既にオルカンに約6%含まれており、給与収入も日本経済に依存していることを考えると、さらに増やすことは「日本偏重」のリスクにつながります。
⚠ 短期の下落を見て「失敗した」と中途売却する
オルカンの年間リターンは上下に大きく変動します(2022年は-18%、2023年は+23.4%)。短期的な下落を見て売却すると、複利効果を失います。10年以上の保有が前提であり、短期の値動きに一喜一憂しないことが最も重要です。
積立開始年・月額を自由に変えて、あなただけの「たられば」を計算できます。
積立タイムマシンで試す本サービスのシミュレーションは過去データをもとにした参考情報です。将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身でお願いします。データについて